こんにちは。カルークです。
先日、ディープラーニング検定のE資格というのを受験しました。
手応えはちょっと微妙かもと思ってましたが合格していたので、これから受験する方に向けて、合格までの道のりや勉強法、感想などを紹介できたらと思います。参考になれば幸いです。
ディープラーニング検定って?
そもそもディープラーニング検定って何?って方もいますよね。私も去年(2019年)、プログラミングスクールに通い始めたのをきっかけに知りました。
ディープラーニング検定は、「一般社団法人 日本デイープラーニング協会(JDLA協会)」が主催する、AIに関する資格です。まだAIやデータサイエンス系の資格は多くはないと思いますが、その数少ない資格のうちの一つではないでしょうか。
ディープラーニング検定には、G検定とE資格の二種類が存在します。
JDLA協会は、G検定およびE資格を所有する人材をそれぞれ下記のように定義しています。
G検定(ジェネラリスト向け):
ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業応用する能力を持つ人材
https://www.jdla.org/business/certificate/
E資格(エンジニア向け):
ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力を持つ人材
https://www.jdla.org/business/certificate/
余談ですが、G検定ときたら、E検定じゃないの?と思うかもしれません。当初はE検定としようとしたが「電気・電子系技術検定試験(E検定)」とかぶってしまったとかなんとか(スクール講師からの伝聞情報なので、根拠はありません)。
今回私が受験したのはE資格(JDLA Deep Learning for ENGINEER 2020 #1)の方です。
ちなみにG検定も去年取得したので、G検定の勉強方法などはまた別の機会にご紹介できればと思います。
(2020/5/19 追記)
G検定の合格体験記はこちらです。
E資格を受験するまでの流れ
ここでは、E資格を受験するまでの流れを紹介します。私の場合なので、他の方とは多少は異なるかもしれません。ご了承下さい。
初めに言っておくと、E資格はよくある資格試験(TOEICなど)とは異なり、プロセスが少し面倒です。加えてお金もそれなりにかかる場合が多いです。。
1.JDLA認定プログラムの対象講座を受講する
JDLAのHP記載の受験資格に「JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること」とあります。
そのため、まず初めにJDLA認定プログラムに記載のどれかの講座を受講しましょう。2020/3現在だと、19個くらいあるみたいです。(去年よりも大幅に増えた気がします。。)
講座によって、数日で終わる物から数ヶ月の物まで幅があります。費用もピンきりです。
お金も時間も限られている方がほとんどだと思いますので、カリキュラムや必要性、学習スタイルなどをしっかりと吟味した上で選ぶと良いと思います。
例えば、既に実務で機械学習やデータ分析などされていてある程度の知識をお持ちの方は、短期の講座でサクッと受験資格をゲットして、受験に臨むのが良い気がします。あとは、AI分野にはまだあまり詳しくない方であっても講座自体は短期で終わらせて自分で勉強するというのもイケる気がします。一方、全くのAI初心者だが、これからAI系の仕事に転職など考えている方は、資格取得だけでなく実務的なことも教えてくれる講座(長期が多い気がします)を取るのが良いのかなと思いました。
長期の講座となるとお金もそれなりにかかることが多いです。講座によっては50万とか、70万とかそれくらいのものもあります。それでも「教育訓練給付金制度」という国の素晴らしい制度があり、講座を修了することができれば最大70%も返金されトータルを安く抑えることも可能です。利用条件などがあるので、詳細は厚生労働省のページを確認した方が良いです。
給付金制度をうまく活用して、自分に合った講座が選べるといいですね。
2.受講した講座を修了する
続いて、受講した講座を修了します。修了できた方にのみE資格の受験資格が与えられるので注意が必要です。必ず修了をしましょう。
修了条件や難易度は講座によって異なります。例えば、「出席率何%以上」、「自作CNNで精度何%以上を出す」、「ニュース分類器の精度を何%出す」、「GoogleNetから転移学習させて画像認識させてみる」などなど(私が受講した講座から、他にもこういう課題が与えられるんだろうなと一部想像して書いているものも含まれます)。
今はまだAIやディープラーニングについてよく分かってない方からすると難しそうに見えるものもあるかもしれませんが、心配するようなことは無いとは思っています。というのも、講座主催側も、生徒にE資格を取ってもらうことが会社の実績につながるので、なるべく生徒には修了させたいと思うはずだからです。(そのためにしっかりと指導してくれるはず・・・!)
3.受験申し込みコードが手元に届いたら、テストセンターHPにて日程、場所を予約する
無事、講座を修了すると、講座主催者側とJDLAがやり取りしてくれるみたいです。しばらくすると、手元に受験申し込みコードが送られてきます。私の場合はメールでした。
受験申し込みコードが送られてきたら、テストセンターのHPで受験の申込み(受験日時、テストセンター場所、費用払い込み)をします。
テストセンターは、全国に何箇所も拠点があるので、自宅から行きやすい場所を選ぶと良いと思います。ちなみに私は自宅から徒歩10分でした。住宅街の中にぽつんとあります。
時期によっては混雑して予約が取りにくい時もあるので、受験申し込みコードが手元に届いたら、なるべく早めに予約することをおすすめします。
4.いざ、受験!
私が受験したのは「E資格(エンジニア資格)2020#1」です。試験日は2020/2/21(金)と2020/2/22(土)のうち都合の良い方を選べました。私は土曜日に受験しました。
テストセンターは近所だったので、テスト開始の20分前くらいに家をでました。軽くGoogleマップで場所だけ調べておいたのですが、まさかこんな住宅街の中にあるとは思わず、若干迷いました。テスト10分前くらいでテストセンターに電話をかけて、場所を誘導してもらったので間に合いましたが、少し焦りました。
受験場所への移動は余裕を持ちたいですね。
私の受験したテストセンターですが、座席数3席の狭いセンターでした。既に受験中の方が2名いたので静かに試験の説明や機器操作のインストラクションを受け試験開始します。
試験ではA4の紙1枚とペンが与えられました。行列の計算などで足りなくなったらどうしようと思いましたが、申し出れば紙のおかわりはさせてもらえるようでした。
試験中は、耳につける防音のやつ(音がでないヘッドフォンみたいなの)を装着していたので、周りの音はあまり気になりませんでした。
5.ドキドキ、合格発表
「E資格(エンジニア資格)2020#1」の合格発表は2020/3/3でした。出来た問題もありつつ、よくわからなかった問題もあって体感6割くらいかなとちょっと微妙に感じていました。
合格発表はメールで来ると聞いていたので、G検定合格のときと同じくらいの午前中にはメールが来るかなと思っていましたが、昼になってもメールが来なかったので、不安になりました。Twitterの「#e資格」のハッシュタグ検索をすると、合格者が何人もツイートしていたので「自分にはメールが来てない。駄目だったか・・・」と落ち込んでいましたが、「テストセンターのマイページで合格証を確認できる」というツイートを発見し、速攻でテストセンターのページを確認した所、、、。
無事に受かっておりました!素直に嬉しかったです。
E資格合格のために勉強したこと
E資格のために私が勉強した事は以下です。カッコは集中して取り組んだ時期です。
- E資格取得のために受講した講座の復習用動画視聴(1月上旬~下旬)
- E資格取得のために受講した講座で配られた予想問題集(1月下旬~試験当日)
- ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装(1月下旬~試験当日)
- ゼロから作るDeep Learning 2 ―自然言語処理編 (2月中旬~試験当日)
ゼロつく2巻はチラ見くらいで、あまり深くは読む時間がなかったきがします。いつか勉強し直したい。。
E資格で出題された内容
順番バラバラで覚えている限りを書きますが、基本的にはシラバス通りです。
- 行列の固有値、固有ベクトルを求める
- 情報量の問題
- 一般化した距離の定義
- DenseNet
- DQN、Q-networkの固定の話
- BLEU定義
- RNN系。GRUの図、GRUについて
- 最適化アルゴ。Adamの実装
- k-NN。k=1のときの分類具合の図を選択させる。
- Layer Normalizationについて。実装も。
- YoLoの性質についての問題
- Cross-entropyの実装
- R-CNN。IoUを手計算で算出。
- 評価指標。混同行列が与えられて、4択で正しい物を選ぶ。分類問題の評価指標の定義を知っているか問うている。
- 一般化した関数表現でのChain Rule。
- KLダイバージェンスは非対称だが、対称だと何がある?
- softmaxの定義
- Transformerの図。Self Attentionの部分はどれか。また定義も。
- オッズ比
- Mobile Net
E資格に合格して意味があったか?
自分にとっては意味はあったと思います。
(私自身の)実務としては、下記のような事が挙げられます。
- ブラックボックス的に使っていた機械学習系のライブラリも、中でどんな処理がされているかが分かるようになった
- チューニングの勘所がつかめた
- 評価の方法などもちゃんと考えられるようになった
- 機械学習系の数式が(少しだけ)怖くなくなった
正直、E資格を取ったからすぐに機械学習系の仕事が超人的にこなせるようになったり、どこでも転職できるとかは無さそうです。ただ、E資格取得のために体系的に学べた事や、目に見える資格があるので自分自身に少し自信が持てたというのは個人的には良かったです。
E資格取得には費用や時間がかかるのがデメリットとしてありますが、機械学習や深層学習をしっかりと勉強するきっかけ作りとして、E資格を受験してみるのは良いかもしれません。